明るさの単位には何がある?4種類の特徴や必要な明るさの目安も解説
オフィスの照明を見直そうとカタログを開くと、ルーメン・ルクス・カンデラといった単位が並び、どれを基準に選べばよいか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。明るさを表す単位はさまざまあり、「光源が出す光の総量」「照らされた面の明るさ」など、それぞれ測っている対象が異なります。
当記事では、4つの単位の特徴と関係を整理し、一般的な事務作業や精密作業など職場で求められる明るさの目安、オフィスの明るさを実際に測る方法などを解説します。自社の照明環境を見直す際の判断材料として、ぜひ役立ててください。
1.明るさの単位は4種類|それぞれの特徴は?
明るさを表す単位には、ルーメン・ルクス・カンデラ・カンデラ毎平方メートルの4種類があります。どれも光を数値にした単位ですが、測っている対象はそれぞれ違います。
| ルーメン | 光源から出る光の総量を表す単位 |
|---|---|
| ルクス | 照らされた面の明るさ |
| カンデラ | 特定方向への光の強さ |
| カンデラ毎平方メートル | 光って見える面の明るさ、つまり輝度を表す単位 |
それぞれの意味と関係を押さえておくと、照明器具を選ぶときや職場の明るさを見直すときに、どの数値を見ればよいか判断しやすくなります。
ここからは4つの単位を1つずつ解説します。
1-1.ルーメン(光束)
ルーメン(記号:lm)は、光源から放たれる光の総量を表す単位で、光束とも呼ばれます。数値が大きいほど光源そのものが多くの光を放っており、LED電球やプロジェクターのパッケージでよく見かける単位です。
ただしルーメンはあくまで光源が出す光の量を示す数値であり、手元や机の上が実際にどれだけ明るいかは、ルクスで確認する必要があります。照らされた面の明るさ(ルクス)は、光の総量(ルーメン)を照らす面積(平方メートル)で割って求めます。
たとえば1,000ルーメンの光を1平方メートルの範囲に当てると、明るさは1,000ルクスです。同じ光を10平方メートルに広げれば、100ルクスまで下がります。この関係を知っておくと、カタログのルーメン表記から、配光や設置条件も確認しながら実際の作業面の明るさをおおまかに見積もれます。
1-2.ルクス(照度)
ルクス(記号:lx)は、光に照らされた面がどれだけ明るいかを表す単位で、照度と呼ばれます。同じ光源でも、面までの距離が近いほど数値は大きくなり、離れるほど小さくなる点が特徴です。天井の照明が同じでも、机の高さや窓からの距離によって手元のルクスは変わります。
ルーメンが光源側の明るさを示すのに対し、ルクスは実際に働く場所がどれだけ明るいかを示すため、オフィスや作業場の明るさを管理するときの基準になります。労働安全衛生規則やJISが定める職場の明るさも、このルクスで示されます。
1-3.カンデラ(光度)
カンデラ(記号:cd)は、光源から一方向へ進む光の強さを表す単位で、光度と呼ばれます。ろうそく1本の炎の明るさがおよそ1カンデラで、身近な明るさの目安になる単位です。懐中電灯や自動車のヘッドライトなど、光を特定の向きへ集めて使う機器の性能を示すときに用いられます。
ルーメンが全方向へ出る光の合計だとすれば、カンデラはそのうち一方向にどれだけ強く光るかを切り出した単位だと考えましょう。
1-4.カンデラ毎平方メートル(輝度)
カンデラ毎平方メートル(記号:cd/m²)は、光る面の単位面積あたりの光度を表す単位で、輝度と呼ばれます。パソコンのモニターやスマートフォンの画面、屋外のデジタルサイネージなど、面の明るさを示すときに使う単位です。数値が大きいほど画面は明るく、直射日光の下でも文字がはっきり見えます。
カンデラが一方向への光の強さをとらえるのに対し、輝度は光る面の広がりまで含めて明るさを評価する点が違いです。日常ではモニター選びの際に目にすることが多く、作業環境の見やすさに直結する単位です。
2.職場で求められる明るさの目安
職場の明るさは、作業の内容に応じて必要な照度(ルクス)の目安が決められています。基準を下回る環境で働き続けると、眼精疲労や、不自然な姿勢による体の負担が起こりやすくなります。
ここでは、作業の種類ごとにどれくらいの明るさが必要かを順に解説します。
2-1.一般的な事務作業に必要な明るさ
パソコンや書類を扱う一般的な事務作業では、作業面で300ルクス以上の明るさが必要です。これは事務所衛生基準規則が定める最低ラインで、令和4年12月1日から適用されています。
以前は「精密な作業・普通の作業・粗な作業」の3区分でしたが、現在は「一般的な事務作業」と「付随的な事務作業」の2区分に整理されました。ここでいう作業面とは、机の上など実際に手を動かす場所を指します。部屋全体が明るくても、パーテーションで区切られた手元が暗ければ基準を満たさない場合があるため、注意が必要です。
より快適さを求めるなら、JISが事務室に推奨する750ルクスを目安にすると、目の負担を抑えやすくなります。
2-2.細かい・精密な作業に必要な明るさ
設計や製図、細かい文字の校正など、精密さが求められる作業では、より高い明るさが欠かせません。JIS Z 9110:2010は、設計・製図の作業におよそ750ルクスを推奨しています。
特に注意したいのが、加齢による見え方の変化です。年齢を重ねると水晶体が濁りやすくなり、若い人と同じ作業でも2~3倍の明るさが必要になるといわれています。高齢の従業員が多い職場では、基準ぎりぎりではなく、余裕をもった照度に調整すると安心です。
2-3.通路・休憩室など共用スペースに必要な明るさ
作業を行わない通路や休憩室などの共用スペースは、事務作業ほどの明るさは求められません。休憩室はくつろぐことが目的のため、100ルクス程度が目安とされ、温かみのある光が向いています。
会議室や集会室はJISで500ルクス、受付は300ルクスが推奨されており、用途に合わせて調整します。一方、通路や階段は法令上の作業面基準の対象ではありませんが、安全に歩ける明るさは欠かせません。特に高齢の従業員は暗い場所では段差や影が見えにくく、転倒につながりやすいため、共用スペースは「明るすぎず暗すぎず」を意識し、移動の安全とくつろぎやすさの両方に配慮しましょう。
3.オフィスの明るさを測る方法
オフィスの明るさは、照度計を使えば手軽に測れます。照度計は、受光部(センサー)に届いた光の量をルクスで表示する機器です。
使い方はシンプルで、電源を入れてゼロ調整をした後、明るさを確認したい机の上などに受光部を向けると数値が読み取れます。受光部の乳白色のドーム部分が明るさをとらえる基準面なので、測りたい面に平らに合わせるのがポイントです。
ただし、正確に測るにはいくつかのコツがあります。まず、測定する人の体や手で光をさえぎると、影で数値が下がってしまう点に注意しましょう。自分の影が入らない位置に立ち、光源には近づきすぎないようにします。壁や服からの反射光も誤差の原因になるため、測定器との距離や位置に気を配ることが大切です。
まとめ
明るさの単位には、光源が出す光の総量を示すルーメン、照らされた面の明るさを示すルクス、一方向への光の強さを示すカンデラ、光る面のまぶしさを示すカンデラ毎平方メートルなどがあります。
中でもオフィスの明るさ管理で基準になるのがルクスで、一般的な事務作業では作業面300ルクス以上が求められます。まずはオフィスの現状を把握することが改善の第一歩となるため、照度計で実際の明るさを測ってみましょう。
手元に測定器がない場合は、レンタルで手軽にそろえる方法もあります。まずは自社の作業環境が基準を満たしているか、確認するところから始めましょう。

















