照度計の基礎知識と使い方|仕組みや使用上の注意点・製品例を紹介

オフィスや工場、学校、病院などの施設では、適切な明るさを維持することが安全性や作業効率の確保に直結します。しかし、感覚的な判断では、法令基準や作業環境の適正を正しく評価できません。

照度はルクス(lx)という単位で数値化され、客観的に管理することが求められます。その際に使用されるのが照度計です。当記事では、照度計の仕組みや測定原理、労働衛生上の基準、正しい使い方と注意点を解説します。代表的な製品例も紹介するので、用途に応じた機種を選びたい方はぜひご覧ください。

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1.照度計とは?

照度計とは、作業面や床面などにどれだけの光が当たっているかを数値で測定する計測器です。オフィスや工場、学校、病院などでは、適切な明るさを確保することが安全性や作業効率の向上に直結します。照度計を用いて現状の明るさを把握し、基準と照らし合わせることが施設管理の基本です。

ここでは、照度計の概要について解説します。

 

1-1.照度計の仕組みと原理

照度計は、受光部で光を電気信号に変換し、その強さをルクス値として表示する仕組みです。主な構成は、受光素子(フォトダイオードやフォトレジスタ)、拡散板、フィルタ、表示部です。受光素子は光を受けると電流や抵抗値が変化する「光電効果」を利用しており、入射した光の量に応じた電気信号を出力します。

多くの照度計では、半球状の拡散板を通して光を均一に取り込み、人の目の感度特性(視感度特性)に近づけるためのフィルタを備えています。さらに、斜めからの光に対しても正しく測定できるよう、余弦則に従う特性が求められます。これは、実際の作業面に届く光の状態を正確に再現するためです。

施設管理においては、対象面に当たる光の量を直接測定できる照度計を使用します。

 

1-2.安全に作業するための照度の基準

労働者が常時就業する室内において、安全に作業するためには、一定以上の照度を確保することが法令で求められています。一般的な事務作業は300ルクス以上、付随的な事務作業は150ルクス以上と規定されています。

出典:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「職場における労働衛生基準が変わりました」

これらは最低限守るべき基準であり、実際の照明設計や改修時の目安としては、JIS(日本産業規格)の照度基準に示される「推奨照度」が広く参考にされています。用途や空間の目的に応じて、より高い照度が推奨される場合もあります。

照度の考え方や輝度との違い、具体的な推奨値については、下記の記事もあわせてご覧ください。

▶照度とは?必要な明るさの基準や輝度との違いを簡単に解説


 

2.照度計の基本的な使い方

照度計の基本操作は、正しい手順で測定面に受光部を設置し、表示されたルクス値を確認することです。まず受光部のキャップやふたを外し、電源を入れます。アナログ式や一部の機種では、測定前にゼロ調整(ゼロアジャスト)を行い、基準値を0に合わせます。これにより測定誤差を抑えることができます。

次に、測定したい作業面の高さに受光部を置きます。デスク作業であれば机上面、工場であれば実際の作業位置に合わせましょう。受光窓は光源ではなく、実際に光を受ける方向へ向けることが大切です。

測定値が安定したら表示を確認し、必要に応じてホールド機能で固定します。測定終了後は電源を切り、受光部を保護して収納します。なお、昼間に窓から外光が入る環境では、その影響も含めた値になります。室内照明のみを評価したい場合は、外光条件を統一して測定することが大切です。

 

3.照度計の使い方に関する注意点

照度計はボタン操作だけで測定できる便利な機器ですが、使い方によっては誤差が生じます。表示される数値は一見正確に見えますが、測定環境や姿勢、距離条件などの影響を受けます。施設管理者が適切な判断を行うためには、測定器の性能だけでなく、測定方法にも配慮しましょう。

ここでは、照度計を使用する際に特に注意したい3つのポイントを解説します。

 

3-1.周囲の反射光や測定者の影響を避ける

照度は対象面に入射するすべての光の合計で決まり、天井照明の直接光だけでなく、壁や床、什器からの反射光も含まれます。そのため、測定者の手や衣服、身体が受光部の近くにあると、反射光が混入したり、本来入るはずの反射光を遮ったりして誤差が生じます。

特に白色や光沢のある衣服は反射率が高く、測定値を押し上げる要因になります。測定時はできるだけ受光部から身体を離し、かがんだ姿勢で影を作らないように配慮します。より精度を高めたい場合は、リモートケーブル付きの分離型プローブを使用し、本体を離れた位置に置きましょう。

 

3-2.受光エリア内は均一な照度で測定する

照度計は、受光部全体に均一な光が入射することを前提に校正されています。半球状の拡散板を備えたフィルタ式照度計では、受光面内の位置によって感度が異なる特性があります。そのため、受光エリアより小さいスポット光や細いビーム光を測定すると、入射位置によって表示値が大きく変動します。

たとえば、狭い範囲に集中したLEDビームを直接当てる測定は、本来の照度を正しく評価できません。このような場合に単純な面積比で補正する方法は適切ではありません。受光面より小さい範囲の明るさを評価する必要がある場合は、輝度計と標準反射板の使用を検討しましょう。

 

3-3.光源から十分な距離を確保して測定する

照度測定は「距離の逆2乗則」に基づいています。拡散性の点光源からの照度は、距離の2乗に反比例して減少します。照度計は通常、約1.5~2m程度の距離条件で校正されています。そのため、光源に極端に近い位置で測定すると、受光面内の入射角や距離差の影響が大きくなり、誤差が増大します。

一般に、受光エリア径や光源径の約10倍以上の距離を確保すれば、逆2乗則からの誤差は概ね1%以下に抑えられるとされています。通常の室内照明測定では大きな問題になりませんが、LEDの光度算出など厳密な評価が必要な場合は、距離設定を慎重に行いましょう。

 

4.照度計の製品例2つ

照度計は用途や求める精度、記録方法によって選ぶ機種が異なります。ここでは、低照度測定やデータ管理に強みを持つ代表的な2機種を紹介します。選定時は、JIS規格への準拠状況や測定範囲、記録機能を確認しましょう。

 

4-1.FT3425

日置電機のFT3425は、1lxから測定可能な低照度対応モデルです。消防法や風営法関連の測定など、暗い環境での評価にも適しています。

Bluetooth無線機能を搭載し、専用アプリ「GENNECT Cross」と連携することで、測定データの転送や報告書作成を効率化できます。内部メモリには最大99件のデータ保存が可能です。タイマー機能を活用すれば、測定者の影や衣服の反射を避けた状態でホールドでき、現場での誤差低減にも有効な機種です。

1㏓の測定に対応でき、低照度の測定に最適な照度計です。Bluetooth無線技術搭載の照度計測定から報告書作成までの作業時間が半分に。 Bluetooth無線技術搭載しているため、iOSとAndroid用の無償アプリ(GENNECTCross)スマートフォンとの連携で、測定~報告までの作業時間が短縮されました。 またLED/OLED照明の測定にも対応している測定器です。JIS C 1609-1:2006・一般形AA級準拠しています。

照度計 FT3425

 

4-2.T-10A

コニカミノルタのT-10Aは、JIS AA級およびDIN Class Bに準拠した高精度モデルです。測定範囲は0.01~299,900lxの広範囲に対応し、オートレンジ機能により現場での操作負担を軽減します。受光部は取り外し可能で、狭所や特殊環境でも柔軟に測定できます。

デジタル信号入出力にUSB、プリンター出力にRS-232Cが対応しており、データ管理や品質管理用途にも適しています。単3電池2本で約72時間の連続測定が可能で、携帯性にも優れた機種です。

PWM光にも対応。JIS AA級、DINCLASSBに準拠した信頼の照度計です。受光部取り外しが可能、狭いところの照度測定も可能です。

照度計 T-10A

 

まとめ

照度計は、作業面に入射する光の量を数値化し、労働安全衛生や品質管理を支える計測器です。事務作業や製造現場などでは法令で最低照度が定められており、JISの推奨照度も照明設計の参考とされています。適切な測定姿勢や距離条件を守らなければ、反射光や影の影響で誤差が生じるため、機器の性能だけでなく測定方法の理解も不可欠です。

用途に応じて低照度対応モデルや高精度モデルを選び、定期的に測定・記録を行うことが、快適で安全な照明環境を維持するための基本です。

1㏓の測定に対応でき、低照度の測定に最適な照度計です。Bluetooth無線技術搭載の照度計測定から報告書作成までの作業時間が半分に。 Bluetooth無線技術搭載しているため、iOSとAndroid用の無償アプリ(GENNECTCross)スマートフォンとの連携で、測定~報告までの作業時間が短縮されました。 またLED/OLED照明の測定にも対応している測定器です。JIS C 1609-1:2006・一般形AA級準拠しています。
PWM光にも対応。JIS AA級、DINCLASSBに準拠した信頼の照度計です。受光部取り外しが可能、狭いところの照度測定も可能です。
ワイドレンジで操作性に優れ、次世代照明などの評価管理に最適な機材です。多種測定機能搭載: 光度、積算照度、補正計数、偏差測定。 ミニUSB対応やキャップレスゼロ補正可能により、システム装置への組込みと、フリッカ光の測定やオシロスコープと接続し出力波形の観察が可能。

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