空洞調査とは?主な方法や原理・地下空洞を調査する流れ・費用を解説

道路や敷地で突然発生する陥没事故は、人命や交通、ライフラインに大きな影響を及ぼします。陥没事故の原因の1つが、地表からは見えない路面下の空洞や地盤のゆるみです。これらは、埋設管の老朽化や地下水の流れ、施工時の埋め戻し不良などによって徐々に形成され、気付かないうちに進行します。陥没リスクを防ぐためには、空洞調査(空洞探査)を適切に実施しましょう。

当記事では、空洞調査の基礎知識や必要性、主な探査技術の特徴、調査の流れ、費用の目安などを解説します。インフラ管理や土地利用の安全性を確保する上で、空洞調査を正しく理解するためにぜひ参考にしてください。

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1. 空洞調査(空洞探査)とは

空洞調査(空洞探査)とは、道路や敷地の路面下に生じた空洞やゆるみを、物理探査や直接調査で把握する技術です。

空洞は、埋設管の老朽化による土砂流出、地下構造物周辺の埋め戻し不良、水みちの形成などで発生します。特に都市部では、空洞が地表近くまで拡大すると道路陥没につながるため、空洞の存在をしっかり把握しておく必要があります。1980年代の陥没多発を契機に、走行しながら広範囲を効率的に調査できる車載型探査も普及しました。

 

1-1. 空洞調査の必要性

空洞調査は、道路や敷地の安全性を維持し、突発的な陥没事故を防ぐために欠かせない取り組みです。路面下に空洞が形成されると、表面からは異常が分かりにくいまま進行し、ある時点で急激な沈下や陥没として顕在化します。こうした事故は通行人や車両への被害だけでなく、ライフラインの断絶や社会活動の停滞を招くおそれがあります。

空洞を早期に把握し、計画的な補修や更新につなげることが、インフラの長寿命化と維持管理コストの最適化につながります。

 

2. 空洞探査技術の主な方法と原理

空洞探査技術は、地下の空洞や地盤のゆるみを間接的に捉える物理探査と、直接確認する調査に大別されます。

代表的な物理探査には、電磁波や電気的性質の違いを利用する方法があり、広範囲を効率よく把握できる点が特長です。一方で、探査結果はあくまで推定情報であるため、必要に応じてボーリング調査などの直接的な手法を組み合わせます。

ここでは、空洞調査のための主な方法を解説します。

 

2-1. 地中レーダー探査

地中レーダー探査は、電磁波を地中に送信し、地層境界や空洞で反射して戻る波を解析する方法です。舗装材料や土砂と空気では比誘電率が大きく異なるため、その境界で反射波の強さや位相に変化が生じます。

探査は走行しながら連続的に行われ、反射波は白黒の濃淡画像として可視化されるため、異常箇所を目視で抽出しやすい点がメリットです。主に深さ2m程度までの浅部探査に適しており、道路下空洞調査で広く用いられています。

 

2-2. 比抵抗映像法探査

比抵抗映像法探査は、地盤の電気抵抗値の分布を測定し、地下構造を推定する電気探査の一種です。地盤に電流を流し、その応答として得られる電位差から比抵抗値を算出します。比抵抗値は、土質、含水状態、空隙の有無によって変化し、一般に含水率が高いほど低くなります。

空洞やゆるみがある部分では周囲と異なる比抵抗異常が現れるため、断面や平面図として可視化することで位置や広がりを把握できます。近年は多数の測点を用いた2次元比抵抗法が主流となり、比較的深部まで連続的な地下情報を得られる点が特長です。

 

2-3. ジオトモグラフィー

ジオトモグラフィーは、地盤内部を断層撮影のように解析する探査手法で、比抵抗や弾性波などのデータを用いて地下の物性分布を推定します。複数の送受信点から得られる情報を組み合わせ、計算処理によって地下構造を画像化するため、空洞や破砕帯の形状を比較的詳細に把握できます。

特に比抵抗トモグラフィーでは、従来の比抵抗法よりも空間分解能が高く、異常部の連続性評価に有効です。ただし、測点配置や解析条件によって結果が左右されるため、他の探査結果と照合しながら解釈する必要があります。

 

2-4. ボーリング調査

ボーリング調査は、実際に地盤を掘削して地下状況を直接確認する基本的な調査方法です。掘進中の地盤変化や逸水状況、採取したコア試料の観察により、空洞の存在や地層構成を正確に把握できます。標準貫入試験を併用することで、地盤の支持力やゆるみの程度も評価可能です。

物理探査で異常が示された地点を中心に計画的に実施することで、調査効率と精度が高まります。一方で、調査範囲は限定されるため、広域把握には物理探査との併用が前提となります。

 

3. 空洞調査の流れ

空洞調査は、一次調査だけで完結するものではなく、二次調査や結果の蓄積を通じて精度が高まります。ここでは、空洞調査を実施する流れを解説します。

1 調査計画を立案する
空洞調査は、最初の計画立案が全体の品質を左右します。過去の陥没履歴、補修・工事履歴、埋設管の配置、舗装構成などの既往資料を収集・整理し、調査の目的や対象範囲、求められる精度を明確にします。その上で、適用する探査手法や調査工程、交通規制の必要性を検討し、業務計画書を作成します。
2 現地踏査を実施する
次に現地踏査を行い、現地でしか分からない情報を確認します。路面の沈下やひび割れ、補修跡、周辺の地下工事状況などを目視で確認し、空洞化の要因推定に役立てます。現地踏査の結果は、後続の探査データ解釈の重要な判断材料です。
3 一次調査を行う
一次調査では、路面下探査車などを用いて広範囲を効率的に探査します。地中レーダーを搭載した車両で走行しながら連続的にデータを取得し、路面下に空洞の可能性がある異常信号を抽出します。この段階では、空洞の有無を広く把握することが目的です。
4 一次調査データを解析する
取得した地中レーダーのデータを解析し、反射波の特徴や深度、位置情報を整理します。異常信号を分類し、空洞の可能性が高い箇所を抽出することで、次工程である二次調査の対象を絞り込みます。
5 二次調査で詳細を確認する
一次調査で選定された箇所に対し、詳細な確認調査を行います。必要に応じて削孔した孔から内部を直接観察して、空洞の厚さや土被り、滞水の有無を確認します。
6 評価・とりまとめを行う
最終的に、調査結果を総合的に評価し、空洞の危険度や陥没リスクを整理します。結果は調書としてまとめ、補修や維持管理計画に反映させます。

段階的に調査を進めることで、効率と精度を両立した空洞把握が可能となり、陥没事故の防止につながるでしょう。

 

4. 空洞調査の費用

空洞調査の費用は、調査面積や敷地形状、使用する探査手法によって大きく異なります。目安として、調査面積が500~800m2程度の場合は約75万~100万円、1,500~2,000m2程度になると約160万~270万円が一般的な水準です。なお、調査面積が500m2未満であっても、探査車両の手配や解析作業が必要となるため、概ね75万円前後の費用が発生します。

敷地が細長い場合や高低差がある場合、交通規制が必要な道路調査では、追加費用が生じることもあります。そのため、正確な費用を把握するには、事前に現地条件を踏まえた見積もりを取得しましょう。

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まとめ

空洞調査は、路面下に潜む空洞や地盤のゆるみを把握し、陥没事故を防ぐために欠かせない取り組みです。地中レーダーや比抵抗映像法などの物理探査によって広範囲を効率的に把握し、必要に応じてボーリング調査で直接確認することで、精度の高い評価を行えます。

費用は調査条件によって異なるものの、事前にリスクを把握し計画的な補修につなげることで、結果的に維持管理コストの抑制やインフラの長寿命化に寄与します。安全で持続可能な社会基盤を支えるためにも、空洞調査の重要性を理解し、適切に活用していくことが大切です。

空洞調査で地中探査レーダーを活用したい方は、ぜひレンタルでの利用もご検討ください。

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