トラックスケールとは?必要な業種や種類・選び方も解説

載積された積荷の重量をトラックごと測定できるトラックスケールは、幅広い業種において公正な取引のために欠かせない機器です。

当記事では、トラックスケールの代表的な5種類について、特徴や使い方を紹介します。また、トラックスケールの選び方やレンタルについても解説するので、トラックスケールの導入を検討している方は参考にしてください。

1.トラックスケールとは?

トラックスケールとは、トラックの車両重量と積荷の重量を測定するために使われる大型計量器です。台貫(だいかん)や看貫(かんかん)と呼ばれることもあります。

トラックスケールは積荷を載せたままのトラックを計測器上に載せるだけで、積荷の重量を計測してくれます。計測時に積荷をトラックからおろす必要がないため、安全に素早く計測できるのがメリットです。

また、パソコンと連携して計量データを集計するシステムが搭載されていたり、センサーで積荷の重心位置を解析したりなど、オプション機能がついたトラックスケールもあります。

1-1.トラックスケールが必要な業種

トラックスケールが使われる主な理由は、積荷の重量によって運搬料金や処分料金が変わる事業で、公正な取引を可能にするためです。具体的には、下記のような業種で活用されています。

  • ゴミ処理業
  • 産業廃棄物回収業
  • 不用品回収業
  • 古紙回収業
  • スクラップ回収業
  • 砂利砕石業
  • 鉄鋼業
  • コンクリート業
  • 道路、ゼネコン業
  • 化学系製造業
  • 食品製造業
  • 運送業
  • 高速道路・国道
  • 港湾施設
  • 物流拠点 など

ゴミ処理場や産業棄物処理施設では、持ち込まれたトラックの積荷重量を計測し、重さによって処分料金が変わります。また、古紙回収業者・スクラップ回収業者などでは、積荷重量によって買い取り金額が変動します。計測した値を対外的な「取引」や「証明」に利用する場合は、計量法に基づいた検定に合格し定期検査を受けている、信頼性の高いトラックスケールが必要です。

砂利砕石業・鉄鋼業・コンクリート業・化学系製造業・食品製造業などでは、トラックスケールが入出庫や在庫の管理にも使用されます。また、トラックの過載積や偏荷重を防止するために、高速道路・国道・港湾・空港・物流拠点などに設置されるケースもあります。

2.トラックスケールの種類

トラックスケールは構造や計量システムの違いによって、いろいろな種類があります。以下では、各種のトラックスケールの仕組みと、それぞれの特徴やメリットについて詳しく解説します。

2-1.機械式

機械式のトラックスケールは、テコの原理を応用したバネばかりの仕組みを転用して作られたトラックスケールです。

機械式トラックスケールはデジタルばかりを使用したロードセル式が普及するまで幅広く使用されていたタイプで、使い方は難しいものの、耐久性も高いのが魅力です。老舗の製造事業者などで50年以上も前に作られた機械式トラックスケールが現役で使われていることもあります。ただし、メンテナンスや製造の難しさから、現代では製造されなくなっています。

2-2.ロードセル式

計量技術が進化した現在のトラックスケール市場で主流となっているのは、利便性の高いロードセル式のトラックスケールです。ロードセルとは、荷重を受けた時の金属のひずみを電気量に変換するセンサーのことで、荷重変換器・荷重検出部とも呼ばれます。

ロードセル式トラックスケールの計量台にトラックを載せると、ロードセルに負荷がかかり金属のひずみが生じます。金属のひずみが起こす抵抗値は、ロードセルによって電気量に変換され、複数台のロードセルの出力をまとめる和算箱を通して、重量指示計に表示されます。ロードセル式は機械式に比べると使い方が簡単で、素早く正確な計量値が確認できるのがメリットです。

ロードセル式トラックスケールは、構造によって地上式・埋込式・薄型の3種類に分かれます。

2-3.地上式

地上式のトラックスケールは、その名の通り地上に設置するトラックスケールで、ピットレス式とも呼ばれます。地表面に和算箱やロードセルが設置され、その上に計量台面があるため、トラックの乗り入れには計量台の前後に進入スロープが必要です。

地上式トラックスケールのメリットは、全構造が地表面にあり、ピットを形成しにくい地盤や環境でも設置でき、基礎工事費用を節約できることです。

また、構造が地上にあるため通気性が良く、機器が長持ちしたりメンテナンスしやすかったりといったメリットもあります。

2-4.埋込式

埋込式トラックスケールは、地中に作ったピットに和算箱やロードセルを設置するタイプでピット式とも呼ばれます。計量台面が地上と同じ高さにあるため、計量台への乗り入れがスムーズに行える上、進入スロープが必要なく狭いエリアでも設置しやすい点がメリットです。

ただし、基礎部分を掘り下げてピットを形成するため作業工程が増え、基礎工事費用も高くなります。

2-5.薄型

薄型トラックスケールは、標準的な地上式や埋込式よりも厚みが少ないのが特徴です。計量台と地表面の高低差が少ないためスロープが短くなり、トラックの乗り入れがスムーズに行えます。また、埋込式の薄型トラックスケールの場合はピットを浅くでき、基礎工事費用を抑えられる点も大きなメリットです。

薄型は設置スペースや工事費用の節約ができますが、メンテナンスがしにくかったり水没リスクが高かったりなどのデメリットもあります。

3.トラックスケールの選び方は?

トラックスケールはいろいろな種類があるため、どのタイプを選べば良いのか迷ってしまうことも多いでしょう。以下ではトラックスケールの選定ポイントを紹介します。

・ひょう量を決める

トラックスケールは、測定できる重量(ひょう量)が決まっています。ひょう量は、想定できる最大のトラックの車両重量と積荷の積載量を合わせたものよりも、大きなものを選びましょう。

・寸法を決める

トラックスケールはトラックを直接計量台に乗せて計測するため、小型トラックを測定するのか大型トラックを測定するのかによって、必要な計量台の大きさが異なります。トラックスケールの寸法の目安として、幅はトラックの車輪間の長さ+約500mm、長さはトラックのホイールベース+1000mm程度が必要です。

・土地の状態を確認する

トラックスケールを設置したい土地の状態によって、設置できる種類が異なる可能性があります。土地が狭くて地上式に必要な進入スロープや旋回半径を確保しにくい場合は埋込式が最適です。また、土地が狭い上に掘り下げると水が出るような地盤の場合は、地上式でも薄型のものを選ぶなど、土地に合わせてトラックスケールを選びましょう。

3-1.トラックスケールはレンタルも可能!

土木工事現場や工場などで、一定期間だけトラックスケールが必要になる場合はレンタルすることも可能です。トラックスケールをレンタルするメリットは、低コストで導入できることとメンテナンスをする必要がないことの2点です。

数か月のみトラックスケールを使う予定の場合、新品を設置するよりもレンタルのほうがコストがかかりません。また、レンタル料金は業務に必要な経費として処理でき、事業者の節業対策にもなります。

また、トラックスケールを自社で導入する時には、計測の正確性を保つために定期的なメンテナンスが欠かせず、必要に応じて修理費用もかかります。レンタルの場合、メンテナンスや修理はレンタル会社が行うので、メンテナンスにかかる手間や想定外の修理費用を省ける点がメリットです。

トラックスケールのレンタルを検討している方は、下記のページもぜひご覧ください。

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まとめ

幅広い業種で活躍しているトラックスケールは、構造や計測システムの違いによっていろいろな種類があります。導入する際は、各種類の特徴、本体価格、設置費用などを総合的に考慮して選びましょう。設置したい場所によっては、土地の広さや地盤によって選べる種類が限られるケースも少なくありません。

また、トラックスケールは本体価格が高く、基礎工事費用や設置費用もかかります。短期間だけ必要となる場合は、購入ではなくレンタルを検討することがおすすめです。レンタルのトラックスケールならメンテナンスコストが省け、レンタル料金を経費として計上できる節税効果もあります。低コストでトラックスケールを導入したい場合は、レンタルも検討しましょう。

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