土質試験とは?試験・サンプリング方法を分かりやすく一覧で解説

土質調査や地盤調査などに基づいて土地の状態を正しく把握できていないと、設計の根拠を示せず、施工中に思わぬ地盤沈下や強度不足が発生しかねません。そのため、土質試験の基礎を理解した上で、目的に合う試験方法を適切に選ぶ必要があります。

当記事では、土質試験とは何かを説明し、主要な試験の種類とその方法、サンプリング手順について分かりやすく解説します。より精度の高い調査・施工につなげたい方は、ぜひ参考にしてください。

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1. 土質試験とは

土質試験とは、地盤を構成する土の性質を客観的に評価するために行う試験の総称です。建設物の設計や施工では、地盤の状態を正しく把握しなければ、強度や安全性に関する判断を誤る恐れがあります。

そこで、現地で採取した代表性のある試料を対象に、物理的性質や力学的性質を実験的に測定し、数値として評価します。土は場所ごとに特徴が異なるため、実際の試験を通して、その特性を定量的・統一的な方法で確認することが不可欠です。

 

1-1. 土質試験の目的

土質試験の目的は、地盤の物理的性質と力学的性質を把握し、その土がどのような性状を持つかを工学的に明確にすることです。これは、構造物の設計や施工を安全かつ合理的に行うための基礎情報となります。

地盤の強度や変形特性、透水性を把握することで、構造物を支える支持力の妥当性や、供用時に発生し得る沈下量の予測が可能です。また、地下水位や流れの状況は掘削の安全性や止水対策の検討に直結します。さらに、建設材料として使用する土の品質適性を確認する役割もあります。

 

1-2. 土質試験にかかる費用

土質試験にかかる費用は、土の採取費用と試験そのものの費用の2つに分かれます。採取費用は依頼方法や採取深度により幅がありますが、一般的には数万円程度が目安です。

一方、試験費用は試験項目によって大きく幅があります。簡易な含水比試験などは数千円台、粒度・密度・液性限界などの物理試験は1万円前後が中心です。三軸圧縮試験や透水試験、締固め試験などの力学試験は数万~10万円となることもあります。これらを総合すると、一般的な土質試験一式の費用は約3万~10万円が目安となります。

 

2. 土質試験の種類一覧

土質試験は、「物理試験」「力学試験」「その他の試験」の3種類に分かれます。ここでは、主な試験内容を一覧で整理し、何が分かる試験なのかを解説します。

 

2-1. 物理試験の方法

物理試験は、土の性質を分類し、後工程である力学試験や地盤設計の前提条件を整えるために実施される基本的な試験です。土は種類によって強度や変形特性が異なるため、まず物理的性質を正確に把握することが、的確な地盤評価の出発点となります。

土粒子の密度試験 土を構成する粒子そのものの密度を測定する試験です。得られた密度をもとに間隙比を算出でき、盛土の締固め管理や土の分類に用いられます。
含水比試験 土に含まれる水分量を測定します。含水比は土の状態変化に影響し、間隙比や飽和度の算定にも不可欠です。地盤の沈下量の推定や盛土品質管理の指標となります。
土の粒度試験 土粒子の大きさ(粒径)分布を求める試験で、土質の分類、透水性の推定、液状化の可能性の判断に利用されます。ふるい分けと沈降分析を組み合わせ、土の構成を定量的に把握します。
液性限界・塑性限界試験 土が液体状・塑性状・半固体へ移行する境界含水比を求めます。これにより塑性指数を算出し、地盤材料としての適否や施工時の扱いやすさを判断します。
湿潤密度試験 土全体の単位体積あたりの質量を測定し、湿潤密度と乾燥密度を求める試験です。密度が高いほど締まりがよく、地盤の状態評価に直結します。

 

2-2. 力学試験の方法

力学試験は、地盤がどの程度の荷重に耐えられるかを判断するための土質試験です。土の強度や内部摩擦角、粘着力など、設計に直結する力学的性質を把握できるため、構造物の安全性評価に欠かせません。

土の一軸圧縮試験 乱さない試料を用いて地盤の支持力を評価する試験です。得られる一軸圧縮強さや粘着力は、改良体の品質確認や支持力検討に利用されます。
三軸圧縮試験 三軸圧縮試験は力学試験の中心的な方法で、試験条件によって以下の4種類に分かれます。
UU(非圧密非排水):現状の支持力を把握。粘着土地盤の短期安定性評価に利用。
CU(圧密非排水):圧密後の安定性評価に使用。擁壁や盛土の検討に用いられる。
CUバー(圧密非排水・排水管理):長期安定解析や掘削時の安定性検討に利用される。
CD(圧密排水):主に砂質地盤の支持力と長期安定性を推定。
圧密試験 地盤がどの程度沈下するか、また沈下がどれくらいの速度で進行するかを評価する試験です。地盤は荷重を受けると徐々に水が排出され沈下しますが、その度合いを表す「圧密係数」「圧密度」を得ることで、建物や盛土の沈下予測に活用できます。
コーン指数試験 コーン貫入量から地盤の硬さを示すコーン指数を求めます。値が小さいほど軟弱な地盤と判断され、車両の走行可否や施工時の安全性確認に使われます。

 

2-3. その他の試験方法

物理試験・力学試験以外にも、地盤の沈下特性や舗装設計に欠かせない指標を把握するための試験があります。これらは地盤の長期安定性や土の工学的分類を判断する上で重要で、特に施工管理や設計の根拠データとして利用されます。

CBR試験 舗装の厚さや補強の要否を判断するために行われる試験で、路床がどれほどの支持力を持つかを数値化します。CBRが大きいほど支持力が高く、舗装厚を薄くできる可能性があります。
土の工学的分類 粒度や塑性特性などの結果を総合し、土を工学的に分類するための試験です。分類結果は「砂質土」「粘性土」などの区分に反映され、その後の設計判断(液状化の可能性、改良必要性など)に直結します。

 

3. 土質試験をするためのサンプリングの方法

サンプリングでは、地盤の種類や硬さに応じて最適な方法を選び、乱れの少ない試料を確保する必要があります。ここでは、代表的なサンプリングの調査方法と特徴を説明します。

オーガーボーリング 手動または機械式オーガーで地盤を掘り進め、比較的浅い層の粘性土を採取する方法です。乱した試料となりますが、物理試験用として一般的に利用されます。
標準貫入試験 試験時にはレイモンドサンプラーを用いて試料を回収します。ほとんどすべての土質に対応でき、地盤の硬さ(N値)も同時に評価できます。
固定ピストン式シンウォールサンプラー N値3~4以下の軟弱粘性土に適しており、薄肉チューブを静的に押し込むことで乱れの少ない試料を採取できます。力学試験用の高品質試料として用いられます。
ロータリー式二重管サンプラー 外管で地盤を洗掘削しつつ、回転しない内管で試料を採取する方式です。中程度~硬質の粘性土に適しています。
ロータリー式三重管サンプラー 三重構造により乱れを最小限に抑え、適用土質が広いのが特徴です。砂質土から高品質の不撹乱試料を採取できます。
原位置凍結サンプリング 液体窒素等で地盤を凍結し、凍結部分をそのまま回収します。通常の方法では採取が難しい砂質土でも乱れのない試料が得られます。
ブロックサンプリング 地表付近の土を切り出して採取する方法で、最も乱れの少ない試料を確保できます。ただし、施工には高度な技術が必要です。

 

まとめ

土質試験は、地盤の性質を数値として把握し、設計や施工に必要な判断材料を揃える工程です。物理試験では、粒度や含水比などの基礎的な性質を明らかにします。力学試験では、強度や変形特性を把握することで、地盤の支持力や安定性を確かめられます。また、試験の精度を左右するサンプリングでは、対象地盤に適した方法を選ぶことが欠かせません。

地盤評価をより着実に行うためには、信頼できる試験機の活用も大切です。必要な機器を効率よく揃えたい場合は、土質・地盤・岩盤試験機のレンタルも検討すると、業務の質と効率を高められるでしょう。

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