無線機・トランシーバーの種類を紹介!それぞれの特徴や違いを知ろう
無線機やトランシーバーは、業務やイベントなど多様なシーンで活躍する通信ツールです。しかし、用途に応じて適切な種類を選ばなければ、その性能を十分に発揮できないこともあります。
当記事では「簡易業務用無線機」、「特定小電力トランシーバー」、「IP無線機」の3種類に焦点を当て、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。また、ニーズに合った無線機・トランシーバーの選び方についても解説するので、適切な製品を選ぶための参考にしてください。
1.無線機・トランシーバーの種類
無線機・トランシーバーにはいくつかの種類があり、特徴や得意分野がそれぞれ異なります。無線機・トランシーバーの主な種類は、簡易業務用無線機・特定小電力トランシーバー・IP無線機の3つです。まずはそれぞれの概要と特徴について解説します。
1-1.簡易業務用無線機
簡易業務用無線機は、名前の通り業務用に使用される無線機です。業務用無線は、一般業務無線と簡易無線の2種類に分類されており、一般業務無線は警察無線や消防無線など、公共性が高い公私企業に割り当てられています。一方、ほかの事業者に割り当てられているのが簡易無線です。
簡易業務用無線機は出力が強いのが特徴で、最大で約5キロメートル離れていてもコミュニケーションを取ることができます。遮蔽物に強く、厨房とホールなど異なる場所での無線通信が可能な点も魅力です。
ただし、簡易業務用無線機の免許に関する規制は、国の政策によって変更されることがあり、その影響で使用条件が変わるリスクもあります。2024年12月1日以降、一部の周波数帯のアナログ無線機の使用が禁止されます。
1-2.特定小電力トランシーバー
特定小電力トランシーバーは、狭い範囲での通信に特化した無線機です。一般的に「トランシーバー」と呼ばれるものは特定小電力トランシーバーを指します。最大通信距離は数百メートルとほかの無線機に比べて短く、遮蔽物や障害物に対しても強くありません。そのため、遮蔽物が多い店舗や街中での使用には不向きと言えます。
しかし、特定小電力トランシーバーには免許が必要なく、誰でもすぐに使用できるのが大きな特徴です。本体も小型で使いやすいので、運動会などの小規模なイベントや工事現場、小さな店などでよく用いられます。利用環境に不安がある場合は、本格的に導入する前に実機を使ってチェックしておくのがおすすめです。
1-3.IP無線機
IP無線機は携帯電話会社のデータ回線を利用した無線機のことで、携帯電話がつながるエリア同士であればどれだけ距離が離れていても通話できます。通信距離だけではなく、遮蔽物や障害物にも左右されずにコミュニケーションを取れる点が、IP無線機の大きな特徴です。この特徴を生かして、主に大規模なイベントや長距離トラック、タクシー、バスなどに導入されています。
ただし、「IP無線機は携帯電話会社のデータ回線を利用するため、月額利用料が発生します。また、地下や森林などの圏外エリアでは利用できない点に注意が必要です。
2.無線機・トランシーバーの種類ごとのメリット・デメリット
無線機・トランシーバーを初めて導入する場合、どのタイプを選べばよいのか分からない方もいるのではないでしょうか。これから紹介する無線機・トランシーバーの種類ごとのメリット・デメリットを確認すれば、自分の用途に適した無線機がどれか見えてくるでしょう。
2-1.簡易業務用無線機のメリット・デメリット
簡易業務用無線機の主なメリット・デメリットは以下の通りです。
簡易業務用無線機のメリット | 簡易業務用無線機のデメリット |
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簡易業務用無線機は通信距離が長く、遮蔽物などがある場所でも安定した通信状態を維持しやすい点が大きなメリットと言えます。また、混信しにくい仕組みになっており、通信を傍受・盗聴される心配が少ない点も強みです。
ただし、簡易業務用無線機の利用にあたっては免許申請が必要であり、定期的に更新料を支払って更新しなければなりません。簡易業務用無線機自体が比較的高価な傾向があり、不具合が起きれば修理費が必要になるため、手間とコストがかかりやすい点もデメリットです。
2-2.特定小電力トランシーバーのメリット・デメリット
特定小電力トランシーバーには以下のようなメリット・デメリットがあります。
特定小電力トランシーバーのメリット | 特定小電力トランシーバーのデメリット |
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特定小電力トランシーバーは電波の出力が小さく、ほかの通信の妨げにならないので、免許・登録不要で利用できる点が大きなメリットです。また、無線機の中でも小型軽量な作りになっており、携帯性が高い点もメリットと言えます。
一方、通信距離が短く遮蔽物や障害物に弱いため、使用できる環境に制限がある点がデメリットです。ノイズも発生しやすく、情報共有に支障をきたすケースもあります。
2-3.IP無線機のメリット・デメリット
IP無線機の主なメリット・デメリットは以下の通りです。
IP無線機のメリット | IP無線機のデメリット |
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ほかの無線機が一定エリア内での通信に限られるのに対し、IP無線機は電波が届く限り全国どこでも通信可能なのが大きなメリットです。加えて、IP無線機は遮蔽物や障害物の影響を受けず、通信品質が安定しています。
ただし、IP無線機は利用料金の支払いが毎月発生するので、導入前にコストの確認をしておくことが大切です。また、携帯電話と同じく、通信障害が発生すると利用できなくなる場合があります。
3.ニーズに合った無線機・トランシーバーの選び方
無線機・トランシーバーが持つ特徴と用途が一致しない場合、機能を十分に生かせなかったり、余計な費用が発生したりする可能性があるので注意が必要です。ニーズに合った無線機・トランシーバーを選ぶためには、以下のポイントを踏まえるとよいでしょう。
通信距離から選ぶ |
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無線機・トランシーバーは種類によって通信距離が大きく異なります。狭い範囲で使用する場合は特定小電力トランシーバー、長距離で使う場合は簡易業務用無線機、日本全国をカバーしたい場合はIP無線機を選ぶとよいでしょう。 |
用途から選ぶ |
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無線機・トランシーバーは製品によって仕様が異なります。屋外で使う場合は、防塵・防水機能が備わった機種を選ぶのがおすすめです。介護現場や医療現場で使う場合は、小型でスムーズに連絡が取れるものを選ぶとよいでしょう。中には防災用に作られた機種もあります。 |
メーカーから選ぶ |
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目的や用途がはっきりしている場合は、メーカーから選ぶのも1つの手です。基本的に、無線機・トランシーバーの使い方や機能面は、どのメーカーを選んでも大きな違いはありません。しかしメーカーによって強みは異なるので、複数の無線機メーカーの特徴を一度チェックしておくことをおすすめします。 |
無線機・トランシーバーの特徴や用途との相性などは、実際に使ってみて初めて分かるケースもあります。購入前に一度レンタルし、使い勝手を確認しておけば、不安を払拭できるでしょう。
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まとめ
無線機やトランシーバーは、それぞれの特徴や使用シーンに応じて適切なものを選ぶことが重要です。簡易業務用無線機は広範囲での安定した通信に適し、特定小電力トランシーバーは手軽でコンパクト、IP無線機は全国規模での通信が可能です。ニーズに合わせた無線機選びが、効率的で快適なコミュニケーションをサポートします。導入前にレンタルで試して、最適な選択をすることが望ましいでしょう。
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