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ニュースレター 現場おやじの一言

Vol.20 砂防・地すべり対策工事(2017.11.1 発行)
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第20回目は、「砂防・地すべり対策工事」についてです。

今回は、工種別で『砂防・地すべり対策工事』について説明していきます。

ハイライト

砂防?

『土石流』とは、大雨などにより山腹が崩壊して生じた土や石と水が一体になって流下する自然現象です。
こういった土石流や河川の氾濫による土砂災害に対して行う工事を砂防工事と言います。代表的なものが砂防ダムがあります。
小さな渓流などに設置される土砂災害防止のための設備になります。前々回紹介したダム工事に比べると規模は小さく、工事期間も短いですが、数は多いです。ほとんどがコンクリートで造られた重力式ダムになります。
①掘削→②床清掃(ダム底の岩盤の掃除)→③型枠組立→④コンクリート打設→⑤脱型(型枠解体)の工程になります。

  • 砂防ダム
  • 砂防ダム

地すべり?

『地すべり』とは、斜面を形成する地塊(土砂・岩塊)が、地下の円弧状に形成される地質不連続面(地層の境)に沿って、地塊がゆっくりと移動する現象です。
すべり出す原因としては、地質の状況に加え、地下水の影響が大きく、雪解けの時期や梅雨時、台風による豪雨など、地下水の水位が大きく上昇する時期に多く発生します。また地震の振動によりすべり面に沿って地塊(土砂)がすべり落ちることもあります。

  • 地すべり

このように①融雪、豪雨、地下水の上昇や②地震の振動に伴うような自然に発生する地すべりのほかに、①地すべり土塊の末端部を道路建設などで削られ安定を失って発生する地すべりや②ダム建設、ため池などの農業用水の設置に伴う地下水位の変化によるといった人為的に発生する地すべりがあります。

  • 地すべり
  • 地すべり

地すべり対策工事

地すべり対策工事には抑制工と抑止工に区分されます。

抑制工

地すべり地の地形、地下水の状態などの自然条件を変化させることによって、地すべりの滑動力(すべり落ちようとする力)と抵抗力のバランスを改善し、地すべり運動を停止または緩和させる工法です。
「地下水排除工」「排土工」「押え盛土工」「河川構造物(ダム、護岸工)」

抑止工

構造物の持つ抵抗力を利用して地すべり運動の一部または全部を停止させる工法です。
「杭工」「アンカー工(力で押える工法です)」

  • 抑制工 抑止工
  • 地すべり対策工事

①集水井工・集水ボーリング工・排水トンネル工

集水用の井戸、集水ボーリング、排水のトンネルを掘削する工法で、すべり土塊にある地下水位を強制的に下げることによって地すべりを対策します。
すべり土塊にある水を集水井(縦の穴)と集水ボーリング(小さい孔)と排水トンネル(大きい穴)によって排水するものです。
集水井は内径3.5m~4.0mの円形の縦に掘った穴です。掘削→掘削した壁が崩れてこないように鋼製の円形板を組み上げていきます。
集水ボーリングは集水井や排水トンネルから放射状に小さい穴を掘削してもので、径や長さはその地すべりの規模によって変わっていきます。
排水トンネルは道路トンネルを掘るサイクルで掘っていくトンネルです。車の代わりに水が通っています。

  • 集水井工

②排土工

排土工は地すべり土塊の頭部の荷重を除去することにより地すべりの滑動力を低減させるものです。排土をすることによってその上部の地すべりが起きる可能性があるので、事前の調査・検討が必要になってきます。

  • 排土工

③押え盛土工

地すべり末端部の盛土を行うことにより、地すべり滑動力に抵抗する力を増加させるものです。この工法は②排土工と同様に盛土部の下方部部分へ地すべりが起きる可能性が有るので、事前の調査・検討が必要になってきます。

  • 押え盛土工

④杭工

杭工は杭を不動地盤まで挿入することによって、地すべりの滑動力(すべり出す力)に対して、直接『杭』で押える力技です(抑止工)。 杭を一定の間隔で作っていき、すべりを止めます。地すべり対策では、通常、鋼管杭が多く用いられ、最近では直径1000mmを超える大口径の杭も利用されるようになりました。

  • 杭工

⑤アンカー工

アンカー工はすべり面外の層までアンカーを打ち込んで、地すべりの滑動力に対して、直接『アンカー』の力で押える力技です(抑止工)。 アンカーを一定の間隔で打設して、すべりを止めます。アンカーの本数や長さは地べりの規模で変わってきますが、表面には前回ニュースレターの『法面工』で紹介した“のり枠工(法枠工)”が施工されます。

  • アンカー工
  • 法枠工

砂防・地すべり対策工事に使う計測機器?

砂防では、土石流が関係しますので【気象・水文観測機器 土石流警報システム OT-1407】、砂防ダムはコンクリートを打設しますので【土質試験機 スランプ試験器】やコンクリート養生の温度を測るために【気象・水文観測機器 コンクリート養生記録温度計】【ハンディロガーMR2041】などが使用されます。
地すべりでは、地表面の変化を計測するために【気象・水文観測機器 地すべり計レコーダーシステム OT-1405】や地下水位が重要になってきますので、【気象・水文観測機器 ミリオン水位計WL-50M】【RWL-50M】や地すべり対策工ではアンカー工の時は【その他非破壊検査機器 テクノテスター】【プロテスター】など、アンカーの孔に注入するセメントグラウトの流動性を試験する【土質試験機 P.Cグラウトフローコーン】 吹付工で使用するプラントでは、セメントや砂、水を使用しますので、計量するための【電子天秤・その他はかり 電子天秤電子台秤】などが使われます。

次回は『建築工事』について語ります。現場おやじ自身の経験が無い分野ですが、『建築工事?』『建築工事で使用する計測器』などについて説明します。

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