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ニュースレター 現場おやじの一言

Vol.19 法面工事(2017.10.1 発行)
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第19回目は、「法面工事」についてです。

今回は、工種別で『法面工事』について説明していきます。

ハイライト

法面?

『法面(のりめん)』とは、切土(きりど)や盛土(もりど)によって造られた傾斜地の斜面部分です。
(※切土、盛土はニュースレター第8回『土工事』で紹介)
法面の最上部を『法肩』最下部を『法尻』と言います。

  • 法面
  • 法肩、法尻

法面勾配

法面の勾配は縦1.0に対する横の長さで表します。例えば『1割5分の勾配』は縦1.0に対して横1.5の割合になります。法面の勾配は、土質によって違います。掘削した時に、崩れないように安定する勾配になります。硬い岩盤では勾配が急勾配(だいたい8分(1:0.8)勾配)になり、崩れやすい土質になるにつれて勾配は緩やかになり、土砂では(だいたい1割2分(1:1.2)勾配)になります。また盛土は切土よりもっと崩れやすいので1:1.8とか1:2.0勾配で盛っていきます。

  • 1:1.5の勾配

工事する際に、“この勾配で施工して下さい”と示すものを、『丁張(ちょうはり)』と言います。測量機のトータルステーションとレベルを使って、丁張を作っていきます。丁張に従って、重機のオペレーターは掘削していきますので、これがとても大事です。現場での新入社員はまず丁張を作ることから教えられます。

  • 法面勾配
  • 丁張(ちょうはり)

法面工事とは?

法面工事・・・切土で掘削した法面、盛土した法面など、造られた斜面が崩れないように落石予防、保護するための工事を言います。
【落石予防】岩接着工、ネット工(覆式ロックネット工)
【保護】法面緑化工、のり枠工(法枠工)、吹付工、アンカー工

①法面緑化工

法面を掘削した状態、盛土した状態のままでは、土が裸になっている為、景観上好ましくないという事で、法面を緑化します。緑化の方法は、法面に種の入った土を吹きつけていきます。法面の状態(土壌硬度、pH、日照の向きなど)を調査した後、種の種類、土の厚さを決定し、それにしたがって種の入った土(泥)を吹き付けていきます。
高速道路などの両脇にある法面は、周りの種が飛んできて自然に生育している草木もありますが、ほとんどが法面緑化工によって強制的に緑化されているものです。
また、植物を生育することで、法面への降雨等による浸食および風化(風で法面が削られていく)を抑制することにもつながります。

  • 法面緑化工

②のり枠工(法枠工)

法面に格子状の枠を設け、風化や浸食、崩落を防止します。まず、鉄筋と鋼製の網で枠を組んでいき、その枠の形状にコンクリートを吹きつけていきます。
作業時は法面上では勾配が急なため、人間が立っていられません。そこで法面の上部の立木やフェンスにロープ(親綱)を結びつけて、そのロープにロリップと呼ばれる道具を取り付け、体が落ちていかないように固定します。この『親綱+ロリップ』に命を預けます。“現場おやじ”も体験しましたが、かなり怖いです。命がけの仕事になります。斜面で立っているのもやっとなのに、そこで重い機器(穴を開ける削孔器など)を持って作業する作業員の方はさすがです。
このように法面上で作業する人を法面工と言います。まさに職人です。

  • 法枠工
  • 法枠工

③吹付工

モルタルやコンクリートで崖や法面を覆う工法です。
風化して劣化した法面は、温度変化や風雪などによってボロボロになっていきます。そこでモルタルやコンクリートを吹きつけて、覆うことによって浸透してくる水を遮断したり、温度変化に耐えることが出来ます。地上に設置したプラント(モルタルやコンクリートを製造して送り出す装置)からホースを通して法面に吹き付けていきます。
この工法は法面工としては最も確実で、施工性に優れているため、広く用いられています。

  • 吹付工

④アンカー工

法面から土中に穴を削孔し、その中に鉄筋棒(アンカー)やワイヤー線を挿入し、その周りにグラウト(モルタル)を注入し、土とアンカーを密着させることにより法面が崩れないように抑える工法です。法面を削孔するため、大きなドリルの機械を設置する必要があり、その足場(機械を置く平らなスペース)の組み立てなどがいるため、大掛かりな工法になります。

  • アンカー工
  • アンカー工

⑤ネット工

ワイヤーロープと金網で作られたネットで、落石の危険性のある法面を完全に覆い、落石があった場合でも道路に落ちていくのを防ぎます。よく道路幅の狭い山道などで見られます。

  • ネット工

⑥岩接着工

崩落の恐れのある不安定になっている岩を落ちてこないように、接着強度の高いモルタルを大小の亀裂に詰め、空洞にはモルタルを注入して、落ちそうな岩と基盤を一体化して安定化する工法です。

  • 岩接着工

法面工事に使う計測機器?

法面工事では、植生工の時に吹き付けする土の厚さや種類、種の種類などを決定する際に、土壌のpHや硬度などを事前に調査します。そこで使用される計測機器に【土質試験機 土壌pH計 OT-2101】、【土質試験機 土壌硬度計 S-117】などがあります。
またアンカー工で削孔した孔に注入するグラウトやモルタルの粘性を計測する【土質試験機 P.Cグラウトフローコーン】【モルタルフロー試験器 C-206】や施工したアンカーの引張強度を計測する【その他非破壊検査機器 テクノテスター】、【プロテスター】など、吹付工で使用するプラントでは、セメントや砂、水を使用しますので、計量するための【電子天秤・その他はかり 電子天秤電子台秤】などが使われます。

次回は『砂防・地すべり対策工事』について語ります。『地すべりって?対策工事?』『砂防・地すべり対策工事で使用する計測器』などについて説明します。

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