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ニュースレター 現場おやじの一言

Vol.18 ダム工事(2017.9.1 発行)
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第18回目は、「ダム工事」についてです。

今回は、工種別で『ダム工事』について説明していきます。

ハイライト

ダムの種類?

ダムは、日本には約3,000箇所あるといわれており、目的によって種類が分かれています。
主なものとしては

①治水目的(洪水が起きた時に調整、土砂の流出を防ぐ、農地の防災)
②利水目的(上水道・工業用水供給、水力発電、リクレーション施設)
があり、単独の目的を持つダムもあれば、複数(治水と水力発電の併用など)の目的をもったダムもあります。後者を多目的ダムと呼ばれ、日本の多くのダムがこの多目的ダムです。

また、ダムは堤体(ダム本体)の材料や構造などにより種類が分けられています。よく使われる種類は、

①アーチダム

コンクリートで作られたダムで、上から見た形がアーチ型なのでこう呼ばれています。アーチの持つ特性を生かしており、水圧の大部分を両側の岩盤に伝えることにより、水圧を支える構造のダムです。両側に良好(強い)岩盤が必要です。
【代表的なアーチダム】
黒部ダム(富山県)、温井ダム(広島県)、奈川渡ダム(長野県)

  • アーチダム

②重力式ダム

コンクリートで作られたダムで、貯水池からの水圧をダムの重量で支えるダム。コンクリートのダムとしては最も一般的なものです。ダムの重量を支えるのに十分な基礎岩盤(硬くて強い岩の)上に建設します。
【代表的な重力式ダム】
奥只見ダム(新潟県)、宮ケ瀬ダム(神奈川県)、佐久間ダム(静岡県)

  • 重力式ダム

③ロックフィルダム

岩や石を多く使ったダムです。中央部に遮水(水を通さない)を受け持つ遮水性ゾーン(コア)を持ち、その周りを岩や石により築いたダムになります。
【代表的なロックフィルダム】
高瀬ダム(長野県)、徳山ダム(岐阜県)、奈良俣ダム(群馬県)

  • ロックフィルダム

その他にも、
重力式アーチダム、バットレスダム、アースダム、フィル複合ダム
などが有り、ダム本体の材料(コンクリート、岩、土、砂、アスファルトなど)や構造(アーチ状、台形、中空など)によりいろいろなパターンに分類されます。

ダム工事?

では、ダムはどのようにして造られていくかというと、

①工事の準備

ほとんどのダムは山奥に建設しますので、工事を始めるためのいろいろな準備をします。
・現場へ資材を運ぶ道路を造ります。工事には大きな重機、クレーン、資材を使うので、道路を広くしたり、強固な橋に造り直したり、道路整備していきます。
・川が流れた状態では、工事がやりにくいので、川を工事に影響のない場所に切り替えたり(仮排水路の建設)、水の量が多い時にはトンネルを掘って川を切り回したりします。
・ダムが出来あがって貯水した時に水没してしまう道路や施設を影響のない所へ切り回します。
・ダムが出来あがって貯水した時に水没してしまう民家の立ち退きと移転先の確保、引越しを行います。

  • 工事の準備

②仮設備の設置

・トンネルを掘削する時と同じような仮設備(工事が終了したら撤去する設備)を設置します。
・コンクリートをつくる為のバッチャープラント。
・ダム工事から発生した汚れた水をきれいにする濁水処理設備。
・資材やコンクリートを吊る為のクレーンを設置。
・現場で機械を修理したり、部材を造ったりする鍛冶小屋。
・職員、作業員の事務所、食堂、宿舎(近くにアパート、ホテルのないので)。

  • 仮設備の設置

③基礎掘削

ダムの基礎地盤を露出するために、川底やダム堤体の側面を掘削し、弱い岩盤やごみ・泥を取り除きます。バックホウ、ブレーカーなどの重機を使ったり、研磨装置(岩盤の面を削ってきれいにする機械)などを使用して綺麗な岩盤に仕上げます。最後の仕上げは右写真のように人力手作業で水とバキュームを使って岩盤を仕上げていきます。これをしっかりやらないとこの上にダム本体を作った時に崩れたり、水が漏れたりしてしまいます。

  • 基礎掘削

④基礎処理工

基礎地盤の軟弱部分の割れ目を補強し、ダムと基礎地盤を密着させるために割れ目にセメントミルク(セメント+水)を流し込みます。(グラウチングと言います)

  • 基礎処理工

⑤コンクリート打設

コンクリートをクレーンやダンプなどにより運び、あらかじめ設置した型枠の中に打設します。クレーンに吊るされたホッパーにより、何回も繰り返し運んで打設していきます。橋脚やトンネルなどで使われているコンクリートよりも硬めコンクリート(スランプの小さいコンクリート)が使用されます。(硬めのコンクリート=水が少ない→コンクリートが早く固まる→型枠が早く脱型できる→次のコンクリート打設に早く進めることが出来る)

  • コンクリード打設

⑥管理設備の設置

ダムを使用する際に必要な管理設備(取水設備、警報設備など)を設置します。

⑦試験湛水(たんすい)

工事が完了したら、水を溜め、漏水などの異常がないことを確認します。

ダム工事に使う計測機器?

ダム工事でも河川工事と同じように、河川の近くで作業を行なうので、河川の水位を計測する【気象・水文観測機器 水位警報システム】、に加えてサイレン、回転灯、警報メールシステム『e-MoA』。切り回す水路の流量を計測する【気象・水文観測機器 河川用電磁流速計AEM1-D】、また重機(バックホウ、ブルドーザなど)を使用するので、重機周りの安全対策で、【通信・安全管理機器 みはり組トラぽん太】。また、コンクリートやセメントミルクを扱うので【土質試験機 スランプ試験器グラウトフローコーン】など、濁水処理設備を設置しますので水質調査するための【水質測定器 pH計】、【濁度計】などがあります。
あと、ダム完成後に数年経ってから溜まった砂の形状を測る深浅測量を行う時には【RC-S2(水すまし)】を使って、ダム底の形状を測量します。

次回は『法面工事』について語ります。『法面って?法面工事?』『法面工事で使用する計測器』などについて説明します。

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