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ニュースレター 現場おやじの一言

Vol.17 河川工事(2017.8.1 発行)
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第17回目は、「河川工事」についてです。

今回は、工種別で『河川工事』について説明していきます。

ハイライト

日本の河川

日本には国が管理する河川が、全部で35,500あります。
その河川を守る工事が河川工事です。

【水位警戒】

河川には各自治体で『避難判断水位』があって、そのレベルがいくつかに分けられています。石川県では以下のようになっています。

避難判断水位には
【レベル1】 水防団待機水位
水防団が水防 活動の準備を始める目安となる水位
【レベル2】 はん濫注意水位
水防団が出動する目安となる水位
【レベル3】 避難判断水位
避難等の目安になる水位
【レベル4】 はん濫危険水位
はん濫が発生する恐れのある水位
石川県土木部河川課HPより

  • 水位警戒

河川工事とは?

河川工事は、これらの河川を守るための工事です。
河川工事には以下の工事があります。

①築堤工事

河川の氾濫を押える堤防を新しく造ったり、堤防の高さ・広さを広げるために盛土をする工事です。主に土をダンプで運んできて盛土したり、掘削してダンプで運んだりする土工事が主な作業になります。

  • 築堤工事

②護岸工事

洪水など発生した時に川の流れで堤防が崩れたり、決壊しないように堤防を強固な構造物にする工事です。コンクリート製のブロックを積んだり、鋼矢板(鉄製の板)を打ち込んで地中に壁を作ったりする構造物工事が主な作業になります。

  • 護岸工事

③河川掘削(浚渫)工事

河川は流れがあるので、どうしても上流の土や砂が下流に流れていきます。
上流から流れてきた砂が下流に溜まる → その溜まった土砂により、川の断面積が小さくなる(流れる量が少なくなる) → 水かさが上がりやすくなる → 堤防が決壊しやすくなる。
という理由で川の下流、特に曲線部の溜まりやすい箇所の土砂を取り除く作業です。護岸からバックホウで掘削(浚渫)したり、台船にバックホウを乗せて掘削(浚渫)することが主な作業です。
土砂が下流に流れてこないように上流で止める構造物が『砂防ダム』になります。砂防ダムについては、また次号で説明します。

  • 河川掘削(浚渫)工事

④水門・魚道工事

水門は上流から流れてくる水の量を堰き止めて調整するコンクリート構造物です。洪水など防ぐために造られる構造物でいろいろな大きさ、形があります。右の写真は三重県長島スパーランド近くにある『長良川水門』です。奇抜なデザインで有名です。

水門を造ってしまうと、川が堰き止められて、そこに生息している魚が上下流を行き来できなくなってしまいます。そこで水門の横には必ず魚の行き来できる『魚道(ギョドウ)』という道が造られています。コンクリート構造物でできていて、下の写真のようにいろいろな形状の魚道があります。ホントにこの急な水路を魚が行き来できるの?って思いますが・・・魚はできるんです。

  • 魚道
  • 魚道
  • 魚道
  • 魚道

⑤放水路工事

河川工事とはチョット違いますが、台風・大雨などにより周辺河川の増水時に、洪水を防ぐため、容量の超えた水を溜めて大きな川へ流す役目をするのが『放水路』です。放水路は地下河川であると同時に巨大な洪水調整池としての機能があります。

その中でも世界最大級の地下放水路が『首都圏外郭放水路』です。埼玉県春日部市の国道16号線直下・深度50mにあり、国管理の一級河川に指定されています。工事はシールド工法で建設され、延長約6.3km、内径は10mもあります。

  • 首都圏外郭放水路

関東では有名みたいですが、この首都圏外郭放水路は洪水防止のみを目的としているので、通常時は水も無く、空堀状態で人も立ち入れる巨大な地下空間になっています。右の写真のように巨大水槽の空間に整然と太い柱が立ち並ぶ様子は壮大で、あたかも地下神殿のような雰囲気を持ちます。そのため、特撮テレビ番組やCM、映画撮影にもよく使用されています。

河川工事に使う計測機器?

河川工事では、河川の近くで作業を行なうので、河川の水位を計測する【気象・水文観測機器 水位警報システム】、に加えてサイレン、回転灯、警報メールシステム『e-MoA』。河川の流量を計測する【気象・水文観測機器 河川用電磁流速計AEM1-D】、また重機(バックホウ、ブルドーザなど)を使用するので、重機周りの安全対策で、【通信・安全管理機器 みはり組トラぽん太】や、たまに石川県の河川工事で注文あるのが、河川浚渫してでききた石の重さを量るための【電子天秤・その他はかり 台秤】です。これは石の重さによって役所(発注者)からの支払われる単価が変わってくるからです。(重い石はダンプに積みにくく、たくさん積めません。手間がかかります。土や砂とは単価が違うので、1個1個計量して役所立会を行ないます。その立会時に台秤を使用します。)
浚渫工事では、河川の川底までの深さは地上から確認しにくいので、ニュースレター第11回で紹介した、情報化施工の【パワーディーガー】が採用されます。バックホウで浚渫している川底の深さが運転席のモニターで確認できるシステムです。あと、河川の深浅測量を行う時には【RC-S2(水すまし)】を使って、川底の形状を測量します。

次回は『ダム工事』について語ります。『ダムの種類は?何のためのダム?』『ダム工事で使用する計測器』などについて説明します。

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