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ニュースレター 現場おやじの一言

Vol.04 コンクリート(施工編)(2016.7.1 発行)
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第4回目は、「コンクリート(施工編)」についてです。

前回では『コンクリート』について話してきました。コンクリート構造物を造るためにには“型枠”が必要で、また、コンクリートを強くするために“鉄筋”がコンクリート中に入っていたりしています。そこで、今回は『型枠って?』『鉄筋って?』について説明したいと思います。

ハイライト

型枠って?

コンクリートは、前回話したように固まるまでには時間がかかるもので、逆に軟らかくなければ、思い通りの形のコンクリート構造物を造ることができません。コンクリートが流れ出さず、思い通りの形に造るために使うのが、『型枠』です。
型枠に使う材料は、合板(木製の板)だったり鋼製(鉄の板を組み合わせたもの)だったりします。合板の方が加工(切ったり、組み合わせたり)が簡単なので、合板を使うことが多いです。
建てた合板が倒れないように、外側は単管(鉄のパイプ)で押えたり、内側はセパレーター(鉄の細い棒)で押さえます。
コンクリートが流れだす時の圧力だったり、コンクリートの重量(だいたい水の2.3倍の重さ)はかなり大きく、これを押さえる型枠の役割は重要です。
型枠を組み立てる人を“型枠大工”と呼んでいます。

  • コンクリート型枠
  • コンクリート型枠
  • コンクリート型枠

鉄筋って?

ほとんどのコンクリート構造物の中には、“鉄筋”(正式には異形棒鋼(イボイボのついた鉄の棒))が入っています。
鉄筋には径(直径)がいろいろあって、10mm・13mm・ 16mm 22mm ・25mm・29mm・32mm・・・・51mmまで有ります。よく現場で使われるのは、13mm~22mmがほとんどです。ソーキ記載の鉄筋探査機の仕様に出てくるD10・D13・D16・・・はこのことです。

鉄筋と鉄筋の交差するところは“結束線”という細い鉄線を“ハッカー”と呼ばれる工具で固定していきます。このハッカーを使いこなすのが結構難しく、熟練鉄筋工のハッカーを回す姿は“かっこいい”です。
鉄筋工は、重い鉄の棒を扱う(運んだり、組み立てたり)仕事なので、とにかく重労働で、そんな鉄筋工の上腕二頭筋はすごいことになっています。

  • 鉄筋 鉄筋の径 結束線とハッカー 鉄筋工

鉄筋は何のために要るの?

・コンクリートは圧縮力(押す力)に対して強いけど、引っ張ると割れてしまいます。
・鉄筋は圧縮(押す)と曲がるけど、引っ張る力には強い材料です。
コンクリート中に鉄筋を埋め込んで、圧縮力に強いコンクリートと、引っ張る力に強い鉄筋の両者の特性を生かした鉄筋コンクリート(RCと呼ぶ)を作ります。
コンクリートの中で鉄筋は錆びにくく(コンクリートはpH=12~13の強アルカリ性で、強アルカリ性の環境下では鉄筋は、表面にごく薄い酸化被膜が生じ、さびの生じにくい状態になります。)コンクリートと鉄筋は付着力(くっついている力)が強く、両者の組合せはきわめて合理的で、耐火災、耐地震など耐久構造方法として、土木建築に欠かせないものになっています。

  • コンクリートの性質
  • 鉄筋の性質

下の左図のように、コンクリートに上から荷重(力)がかかった時、コンクリートだけでは折れてしまいます。
しかし、右図のように鉄筋をいれると、下の部分にかかる引張力を鉄筋ががんばるために、折れずに強いコンクリートになります。(こんにゃくに棒を刺すと強くなるみたいな感じですかね)

  • コンクリートへの荷重
  • 鉄筋コンクリートへの荷重

コンクリートと鉄筋の組合せにより、道路の橋げたのように、コンクリートだけでは車の重さに耐えきれずに折れてしまうのが、鉄筋を入れることによってその重さに耐えることができます。
※鉄筋の量(断面積×本数)は架かる力の大きさによって変わってきます。

  • 橋げたの鉄筋とコンクリート

鉄筋とコンクリートは、お互いの弱い部分を助けあった 『すばらしいパートナー』 です。

鉄筋のかぶり?

鉄筋のかぶりとは『鉄筋からコンクリート表面までの最短距離のことで、建築用語では“かぶり厚”と言います。』
どういう役目があるかというと、

①鉄筋を酸化から守る:
 かぶりが不足すると、鉄筋が酸化(空気、酸素にふれる)を始め、錆びてしまう→ 鉄筋が膨張 →コンクリートが剥落 に繋がります。

②鉄筋を火災から守る:
 ビルなどで火災が発生した時に、かぶりが不足すると → 鉄筋の温度が上昇 → 鉄筋の強度が弱くなって構造上欠陥が生じる鉄筋のかぶり厚の規定値は、土木、建築、官庁、民間などの工事の種類によって違いはありますが、だいたい5~15cmが一般的です。

鉄筋のかぶり位置が設計通りになっていないと、前述で示した引っ張る力に対して十分な力を発揮しなくなるため、そのコンクリート構造物の耐久性に大きく影響します。

鉄筋の位置、かぶり厚さを測る器械が【鉄筋探査機】です。
用途は、できあがったコンクリート構造物の中の鉄筋が設計の位置にあるか?かぶりは設計通りの厚さがあるか? といった調査をする場合や、建築構造物ので壁に穴をあける時に障害となる鉄筋やエンビ管(塩化ビニル製のパイプ)の場所を探す時に使用します。

  • かぶり厚
  • 構造物内の鉄筋

鉄筋探査機には、“電磁誘導法*1”と“電磁波レーダー法*2”の2通りの方法があり、測定箇所により使い分け(機種選定)が必要になってきます。

*1:電磁誘導法
試験コイルに交流電流を流すと検出コイルに磁束が発生します。この磁束が鉄筋などの影響により変化すると、検出コイルの起電力が変化して鉄筋の位置やかぶり厚の測定が可能になります。

*2:電磁波レーダー法
送信アンテナより電磁波をコンクリート中に向けて放射すると、コンクリートと電気性質の異なる物質による反射が生じます。例えば鉄筋、剥離、空洞、水等の比誘電率の異なる材料面からの反射が起きます。それを受信アンテナで受信し、それに掛かる往復の伝搬時間から反射物体までの距離を計測することにより対象物の位置を推定することができます。

次回はコンクリート(施工編)の第2弾で、『コンクリートの打設方法』『バイブレーターは何のために使う?』などについて語ります。

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